世紀末微懐メロ伝説その20。

SIN‐DECADEPlease Don’t Leave Me
PRETTY MAIDS
Sin-Decade [1992]

 アルバムは春先の発売ですが、このシンリジィサイクスのカバーがヘビーローテーションとなって耳にタコができるほど聴かされることになるのは夏から秋にかけてのオハナシです。アタリスのボーイズオブサマーみたいな流行りかた、って言えば通じるのかな>若え衆
 「バンドを知らずにアルバム買った人残念でした」とはよくあるケースだが、「バンドを知っててスルーしてたらシングルで驚かされて、まさかと思って買ったら違う意味で残念でした」という三度オチが用意されているとはお釈迦様でも気がつくめえ。新規客も既存客も裏切った怪作でした。


 (1)(4)といった「イカニモHMですー」と言わんばかりのスピードチューンばかりでもなく、妙にグルーブ効かした楽曲が混ざっていたりして構成としては悪くありません。ただし録音とミックスはダメダメ。スカスカの低音に篭もりがちのギター。アレンジも古くさい。
 素材と狙いは悪くないんだけど力量がついて行ってない、ある意味「惜しい」アルバムです。それがこのカバー1曲でバンバン売れてしまったのが良かったのか悪かったのか。その後の様子を見てると悪い方に転がったかな、なんて思ったりして。何かの間違いでリマスターされたら本当の名盤に生まれ変わるかも知れませんが、さすがに期待薄でしょうなあ。
 いや、好きなんですけどね。誉め方がわからないもんで。困ったもんだ。