五十路にて大自二免許を取らんとぞ思ふ

ええ歳して大型自動二輪免許が欲しくなり自動車学校に通った。主に同年代向け(そして近隣住民)の参考になればと覚書を晒す。なお筆者のスペックは以下の通り。

  • アラフィフ男性。
  • 身長168cm、股下短い。
  • 19歳で原付と四輪の免許、20歳で中型二輪の免許を取得。
  • バイクは「8年MT、3年乗らず、5年MT、6年AT、5年MT、4年AT」。
  • 最後のMTバイクは4年前に手放したホンダ・VT250J SPADA。詳細はこちらで。
  • 現在はヤマハ・マジェスティ4D9(2007)。夏場は往復30分の通勤で使うけど冬場はほぼ週末のみ。
  • 30歳のころ膝に矢を受けハードタイピングで両手とも腱鞘炎になり重いクラッチ操作が苦手。特に冬は左手の握力が極端に低下する。

というわけで入校手続きから免許発行までの約50日に記したメモより。

2017/7/2 (土)

入校手続き。本当は自宅と職場の中間になるPIDSにしたかったけど「3ヶ月で取れるかどうか微妙な混み方です」と言われたこともあり四輪・二輪中免ともお世話になった平和台自動車学院で申し込み。すぐそばに知人が住んでるので校門付近まで何度か来ているが、中に入るのは実に30年ぶり。施設はほぼ変わってないが設備は全く違う。

個人的には「卒業すぐ不安なく神戸の道を走りたい」なら平和台で鍛えられておくのはよいことだと思う。コース内でナチュラルに坂道発進覚えるし、新開地あたりの街中(中央幹線)で車線5つ変更とか長田の山手でバス止まってる2車線のつづら折れを旧西神戸有料へ向かうトラックに追い越されたりとか路上教習もバリエーション豊かなのがよい。まあ最近はRICSやPIDSもあちこち走り回っているようだけど。


2017/7/9 (日)

入校式。曜日限定なのでスポーンと日が飛び先が思いやられる。ICタグ付き教習簿とかオンライン予約システムとかレクチャー。

教習車も見る。私が中免取ったころはホンダ・CBXからCBR(いずれも400Fベースの教習車)に入れ替わる最中だった。現在、中型はCB400SFとシルバーウィング400(GTじゃない方)。そして小型は30年前と変わらずCB125Tなのが改めてスゲエなと。大型はCB750(RC42)教習仕様、NC750L、そしてスカイウェイブ650の古いタイプ。

2017/7/16 (日)

教習①。CB750のシートは意外に低い。自分から申し出て引き起こし試験、問題なくクリア。でもクラッチが劇重。一本橋、こんなに下手になってるかと愕然。

そういえば中免のときは平日晩にほぼ毎日予約を入れたから2週間で終わった。ライダーが減ってる以上に学校の受け入れ態勢が縮小してるんだろな。そういえば休日だってのにコースを走ってるのは5台に満たない。当時の混雑ぶりを思い出す。

2017/7/17 (水・海の日)

教習②。40km/h出せ、とまだ言われてないのでトロトロと。やっぱりクラッチ重い。あとマジェスティに慣れてしまったせいかニーグリップ感覚がなくなってる。スラロームやS字はこなせるけど、クランクが思いのほかツラい。次の教習まで間が空くし、多少でも握力を鍛えておくべきか。

2017/7/22 (土)

教習③。オンラインで予約取れないなー、と困っていたが、改めて教習手帳読んだらAT配車は別操作が必要だった。迂闊。

まずはシルバーウィング400。車格はともかくスロットルの追従が悪くてふらつく。その後のスカイウェイブ650はヒラヒラ。こっちのがむしろ一本橋やスラロームの調子がいい。TMAX買っても足つき何とかなるかなあ。

2017/7/23 (日)

教習④。連続じゃないけどようやく1日2コマが取れた。まずは初めての午前コマ、天気もあって結構楽に。一本橋を重点的、やっと10秒越えることがあるレベル。これはまずい。坂道と40km/hは余裕。このあと午後に1段階みきわめがあるのだけど大丈夫か?

そして引き続き教習⑤、夕方からの1段階みきわめ。一本橋は8~9秒で安定だが別の教官に「YOU、半クラじゃなく完全に切っちゃいなよ!」と言われて試したら10秒で安定するようになった。一方で何とかなってたつもりのスラロームはまだまだアクセル開けるのが早かった模様。なんとなく昔の感覚戻ってきたかも。クランクは2速通過でもいいんじゃないかと提案を受ける。

幸いみきわめの結果はAだったけどクラッチの重さがマジで課題ですわ。日に教習1回なら何とかなるが日2コマだと絶対に影響がでる。

2017/7/27 (木)

教習⑥。お盆前後の仕事スケジュールからどうしても平日に1コマ取っておく必要があり、遅い時間からの教習。

某自治体コンペ向けの作業を中断しアタマ仕事モードのまま来たせいか、覚えてたつもりのコースが完全に吹っ飛んだ。特に右折で逆回転に廻るタイミングがもう全然。卒検もほぼ同じコースらしいので日曜は叩き込んで行かねば。

初のNC750はクラッチの軽さに感動するけど、想像以上に下が粘らずS字で失速、クランクでがたつき。一本橋はむしろこっちのが楽かもしれず。

2017/7/30 (日)

教習⑦。やっぱりNCトルク薄いな。コース覚え切ってないから細々と集中できない。切り返しの交差点が結構難所。一本橋はなんとかなった。

引き続き教習⑧。予約で1コマ開けたと思っていたが教官ともども勘違いだったらしくダッシュでコースイン。急制動はおおむねOKぽいけど止まる前にギア落としにいっちゃう癖がやっぱり抜けない。

そして連続2コマはやっぱりクラッチがつらい。卒業検定の前には最低1コマ、できれば半日以上開けた方が良いか。

2017/8/1 (火)

免許の更新月に入ったので色々と確認。免許の区分変更は更新は同時にできる(=新しい免許を発行するだけでよく更新手続きは自体が不要)。そして誕生日後じゃないと1年間更新が繰り延べされない。「更新後5回の誕生日」の罠。

というわけで9/3あたりに県庁前の神戸免許センターへ赴くけばよいだろうか。でもしばらく大型買わない感じがあるなあ。TMAXじゃない限りは。

→ 後に「更新センターではなく試験場に行く必要がある」と判明。

2017/8/5 (土)

教習⑨は朝10時のコマ、座学とシミュレータ。ガチ酔いする女性が有意なほどいらっしゃるというお話も。ニュートラル入りにくいとこまで実車に似せんでもいいように思う。タンクとかはヤマハXJRベース?

引き続き18時コマで教習⑩。新たに波状路、そして一本橋が相変わらずタイム微妙な感じ。コースが微妙に変わってまたパニくる。

2017/8/10 (木)

教習⑪。2回目の平日、20時の最終コマ。コース完全に覚えたおかげでそこそこスムーズになったけど、やっぱり波状路と一本橋のタイムがギリギリ。スラロームと急制動はほぼ問題なし。そして時間の終わりに近づくとともにクラッチ握る左手が引きつるのも変わらず。

次は盆明けに2段階みきわめだが、翌日に卒検の予約を入れたのでもう落ちられない。

2017/8/19 (土)

教習⑫。覚えたコースを延々回って、気づけば教習時間終了。一本橋と波状路が相変わらず微妙で、5年前のスキルにすら戻せてないのが自覚できてつらい。でも見極めはOK。比較対象が少ないのでなんとも言えず。

2017/8/20 (日)

昼前から卒業検定。教習⑩~⑫で外していた慣熟走行からのエントリーポイントを間違えていきなりコースミス。これは教習の最後2時間で「便宜的に」最初の一旦停止を外すよう言われていたポイントで、検定でも同じことをやってしまった(正しく復帰したのでそこは減点なし)。やっぱり一本橋と波状路が微妙なまま、さらに余裕だったスラロームも最後のコーン前でおっとっと。

結果は合格だったけどかなりギリギリライン。教官コメントも「大型乗るならしばらく意識して慣れてください」と。なんにせよ追加教習なしで終わってよかった。免許発行で明石へ行くのは仕方ないがサラリーマンには平日縛りが厳しいよ。

2017/9/1 (金)

盆明けから急にバタバタしはじめた仕事を何とか片付けて今年7日めの有休を取得し明石自動車試験場へ。中免・普通免持ちなので適性試験のみ。ここに来るのはたぶん今世紀に入って初めてで、建物が新しくなってて何コレ感がつよい。

適正試験は①腕振って②片足ジャンプして③ランドルト環を見て終わり。講習は免許持ちのみだけが集められた60人ほどのグループ、うち大型自動二輪は5人もいなかったのかな? 初心期間の違反で講習受けず再試験になったケースについて「兵庫県における大自二の再試験合格者は0人です」としっかり脅されたり。

現地へは8時45分ぐらいに着いて30分ぐらいで書類関係が整い、講習まで1時間ほどの空きがあった。発行が終わって試験場を出たのは11時半ごろで、おおむね事前の案内通り。お疲れさま>わし

終わりに

何とか追加教習や検定やりなおしをすることなく済んだけれど、如実に衰えを自覚する経験でもあった。

7万円・12コマで大型が乗り放題&転かせ放題と考えればリーズナブルなサービスだし、今後ますます中型区分(特にフルサイズ400cc)の国産車ラインナップは貧弱になるだろうから、ライダー続ける気がある人は大自二取っとこう。

そして可能であれば学生さんが試験で忙しい時期に合わせるのがよい。天候的にも秋、10月なら1ヶ月で取れたような気がする。そういえば中免も四輪も秋に取ったっけ……。