世紀末微懐メロ伝説その28。

Keep the FaithKeep the Faith
BON JOVI
“Keep the Faith” [1992]

 1992年分を締めくくるのは、お茶の間の人気者の座を確かにしつつも映画とかソロとかで焦らしモードに入っていた彼ら。

 4年ぶりのフルアルバムからはもちろんファーストシングルのタイトル曲。そう、信念を貫くんだ。きゃーステキー。ジョン抱いてー。


 ジョンのロン毛バッサリはフミヤがチェッカーズカットを止めた時の2.5倍ぐらいインパクトありましたな。当時彼は信用されない30歳になったところ。ロックンロール・セクシーじゃやってけないと当人も認識あったんでしょう。髪型だけじゃなくファッションもそれまでの「LAメタル対抗路線」から一線を画してきました。もちろん他のメンバーも。ていうかこのとき初めてリッチーをカコイイと思ったよ。

 ワイルド・イン・ザ・ストリーツからニュージャージーにかけてみられた楽曲構成を、実はこのアルバムもちゃんと踏襲している。イントロで煽る曲。スケール感で攻めるシングル。カウボーイはブルースだよな。ピュアソフトメタル王の座は誰にも渡さねえ。一曲ぐらいはソリッドなところ見せとかないと。ほーら王道だ。

New Jersey Slippery When Wet ワイルド・イン・ザ・ストリーツ

 でもしっかり叩かれましたなあ。スリッペリィ~までは「ボンジョヴィはメタル違うやろ流石に」だの「ナンパ御用達」だの言ってたくせに。「禁じられた愛」と「ワイルド・イン・ザ・ストリーツ」の邦題は黒歴史じゃなかったのか。断じてしまえば君らがあげつらっていたのは「バラードが前半で続いてる」という単なる曲順の問題ではないのかと。(9)Fearを(3)あたりに持ってきて(5)Bed of Rosesをラス前に置いたら満足したんちゃうのかと。

 とまあ「よくできてるとは思うけどどーよ」みたいな外野が色々腐しもしたんですが、この曲のカコヨサは微塵も揺るがないのです。既に四十路も半ばに差しかかろうとしている彼らの「早すぎた転機」としていつまでも記憶に残ることでしょー。