2003年8月26日は火曜日。

眠れない

 多分、朝の5時ぐらい。
 オレンジと黒のハイコントラストが目に厳しい朝日の中、瀬戸大橋を車で渡る。そのまま高速をどれぐらい走ったか、緑に埋もれた幾つかのブラインドコーナーを抜けて目的地のホテルに到着。一風呂浴びて浴衣に着替え、車寄せのまわりを散策していると懐かしいシルエットが視界に。それは昔の彼女。おそらく。
 長雨。
 70年代から時間が動いてないように見える平屋建てばかりの住宅地。僕は武装テロリストの一員となって小学校を占拠。目の前には年齢性別人種ともバラバラの人質が7名。その中になぜか件の彼女。ただひとり目を閉じて薄笑いを浮かべるその姿に違和感を感じない自分。リーダーに促されてメンバーが一人ずつ人質を射殺する。僕も中東から着の身着のまま連れてこられたような中年女性のこめかみへ銃弾を撃ち込む。全身に伝わる確かな衝撃。抱いていた子供の顔面が真っ赤に染まる。それでもにこやかな表情を浮かべる乳飲み子のこめかみに、もう一発。やっぱり何の感情も生まれない。そしてただひとり残された彼女が僕を見つめる。その薄笑いを止めろ。
 彼女を尋問。
 何を喋ったらいいのかもわからず、鬱陶しくなってすぐに現場放棄。監禁している部屋の鍵をかけなかったのは自分の意志なのか。違うような気がする。とにかく事実は「彼女がもうここにはいない」こと。仕方ないので雨の中、傘を差し缶コーヒーを買いに行く。自販機の前でYシャツと黒スラックスの男子学生とすれ違う。その何かが無性に羨ましい。あれは僕じゃないのか。
 やたら広くて天井の高いカフェ。
 むしろデパートのフードブースか。安物の大きなテーブルを挟んで、斜向かいに彼女。相変わらず会話のない時間。突然背後から「おう、○○ちゃん」と声。同時に軽い衝撃。2つ先輩の松○さんと池○さん、別方向からは○部さんともう2つ先輩の○嶋さん。全員がライディングジャケットにデイパック。左手にはヘルメット。風体はまるで昔のままなのに、○嶋さんだけが横に倍ぐらい大きい。目の錯覚か。半分口を開きかけるけど、やっぱり面倒になってそのまま席を立つ。
 彼女を車に乗せて山のドライブウェイ。
 下りのカーブで渋滞。パトカーが2台、路肩に事故車3台。芸能人が運転する2台の乗用車にトラックが追突し乗用車のカップル2組とトラック運転手は車から放り出されて全員死亡。車はまだ炎上中。左車線に放り出された5つの死体をなぜか警察は放置したまま。ゆっくりと見物渋滞にあわせて脇を通り過ぎる。暗くて見えないはずの助手席の彼女が笑っている。声を立てずに。きっと笑っている。

 プリーズ夢診断。

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