そそくさと仕事を切り上げて懐かしい空間を目指す。
新しい職場は4~5年ほど前に住んでいた場所のすぐ近くだ。感慨が薄くならないうちに訪れておこうと思い、てくてくと花見がてら以前の最寄り駅まで一駅分を歩く。
通勤に使っていた駅とは反対側にあって、デフォが終電帰り&朝帰り朝出だって珍しく無かったあの頃には訪れる機会も少なかった通り。新しい店もちらほら。今回の職場ならば訪れる機会もあるだろうか。
そして15分も歩けば見慣れた風景。このへんは香川から神戸に帰ってきたときにも訪れているし、なんだか帰ってきた気分。でも、よく考えると陽が出ているうちに散策するようなことは数えるほどしか無かったような気もする。丸2年住んでいたのに。
そして訪れたのは旧居の階下にあるお好み焼き屋さん。おっちゃんもおばちゃんも二年三ヶ月ぶりに訪れた一年半前と変わらぬ顔で出迎えてくれた。
近況報告。「保険が半年出るとか言うてたのは覚えてるけど、ほな一年はどないして生きとったん」。今風のNEETという表現を使うべきかどうか迷ったりして。とりあえず同人誌作って売って他には特に何も、とか具体的な事を言っても始まらないので「貯金や年金切り崩したりー」とありがちな事実を。切り崩すほど積んであったのは自分でも意外だった、とか。
そして帰路。かつて佐藤製薬のビハクを常備してるのを知って感動した太平薬局とか、駅前の「レコード屋さん」とかが閉まってたり閉まりそうだったりと微妙に雰囲気が違う。商船大の名前は無くなってしまったけど学生がいなくなったわけでもないはず。マンションはむしろ増えてるぐらい。この街はどのような変化を辿ろうとしているのだろう。