フェンリル、解放。

Sleipnir「そっちには、弓子が……いるんだよ……!」

 うぶ∽かた脚本はよかったよなあ、それにしても見事に放送終了と同時に忘れ去られたよなあ、やっぱりあのギザギザほっぺを生理的に受け付けない人が多かったんだろうか、などと無職時代を連想するのはいいとしてスレイプニル

 Donut Rには大きな不満もなく、乗り換える理由は特にないのだけどツレがテスト導入しているということで何となくお試し。ちなみに前のプニルも二度ほど試しているが、いずれも速攻アンインスコに至る。Donut PLLunascapeもサヨウナラ。Firefoxは確認用に仕方なく残しているがサブとしても使いたくないレベル。今回のSleipnir2はベータということもあり細かいところを突っ込んでも仕方ないとはわかっちゃいるが、まあチラシの裏。

 まず基本的なデザイン。XPスタイル(Lunaつーんだっけ、XP入れて最初に無効にしてるし興味もない)を強制されるのがウザー。これってプルダウンメニューのフォントが「画面のプロパティ」で設定されるメニューフォントを参照してないんだな。おそらくアイコンキャプションを参照してるんだろうけど鬱陶しいこと極まりない。メニュー色も無視しやがるし。

 検索バーを非表示にして(邪魔だ邪魔)ツールバーをデフォルト位置から移動するとツールバータイトルが被る。最初はビットマップフォントのTicagoを利用している影響かも知れないと思ったが、上下に位置をずらしても「検索」と「リンク」の文字が重なる。しかもよく見りゃツールバータイトル部はWindowsの画面設定じゃタイトルバーにしか使用していないTahomaでレンダリングされている。わけわからん。

 タブをすべて閉じても空白タブ(about:blank)が残る。この仕様がMDI慣れした人間にとっては実にキモチワルイ。つーか無意味。指定したスタートページに戻るならともかく、複数ウィンドウを内包できるアプリケーションで「そのままだとなにもできないウィンドウ」を残す意味が一体どこに? エディタの新規作成とはわけが違うのだが。

 メールのアイコンにプルダウン記号(▼)付けてあるんだが、これは本来(IEの進む戻るやOfficeの多段undoと同様に)メインボタンのワンクリック動作とは異なる「サブメニュー」を表示するというガイドラインじゃなかったか。必ずプルダウン表示するのであればIEのフォントサイズボタンのように▼無しが正しいはず。逆に▼を付けるならワンクリックで実行されるコマンド(例えば「メールを読む」など)が既定値として指定されるべきだろう。類似のデザインは誤解を招くだけだ。

 起動もDonut Rに比べて遅い。Donut Lなどに比べればもっと遅いだろう。メニューやダイアログの各所が無効だったりするのはベータだから突っ込まないが、逆にこれしか実装してない状態ですら練れていないUIを披露されると期待も萎えようというもの。


 んで、ここからはプニルに限定しない話。便所紙。

 大抵の国産IEコンポーネント使用タブブラウザには“セキュリティの切り替え”機能が備わっている。具体的には「ActiveXダウンロード・実行・スクリプト・JAVA」の有効無効をワンタッチで変更する機能だ。わたしはDonut Rを導入して以来そのすべてを既定値で無効にしているが、ナビゲーションがFlashのみでSKIPすらできなかったり意味もなくフォーム入力でJavaScriptを使っているような腐れたサイトを閲覧しなければならない場合には仕方なくそれらを有効にして閲覧している(NIMDAが大流行した頃のMozillaはCSS解釈も日本語レンダリングもタブ機能も起動スピードも実用に耐えず、代替ブラウザとはなり得なかった)。

 さて、では(実装の意図からすればそれなりの頻度で行われるはずの)「一時的にセキュリティレベルを下げて現在のタブのURLを開き直す」正しい手順とはどのようなものだろうか?

 最近のブラウザにはそうでないものもありそうだが、Donut Rのセキュリティ切り替えは「現在開いているタブおよび以降開くタブ」に関するものだ。つまり現在のページのセキュリティ設定を維持したまま「リンクアンカーから新しく開くウィンドウのセキュリティ設定」は変更できない。必ず「現在のページのセキュリティを変更」するか、あるいは「別のページを開きそのページのセキュリティを変更」する必要がある。前者は現在のページで無意味なリロードをすることになるし、後者はまったく用のないページを開いて閉じる手間がある。いずれも手順としてはまったくスマートでない。

 さらにいえば、本来実装した側が想定している(そして現状ほとんどのユーザが該当する)であろう「低セキュリティで閲覧している状態から危険そうなページを高セキュリティで開く」場合には、現在のページがFlashやJavaScriptなどでナビゲーションされていた場合、開こうとするリンクそのものが無効になる可能性がある。もちろんこの逆の手順、つまりリンクを開いてから当該ウィンドウのセキュリティを高に切り替えるのは操作の目的と照らし合わせるとまるで無意味だ(通常悪意のあるスクリプト等は開いた瞬間に実行される)。

 というわけで、わたしはいまだこの「セキュリティ切り替え機能」のスマートな使い方がわからないでいる。「既定値ですべて無効にしてるようなキチガイは想定外」ということであればそれでもいいだろう。しかし先述の通り「有効から無効」に切り替える際にも疑問は残る。「ショートカットキー一発」あるいは「アイコンボタン一発」という実にアクセスしやすい機能の割に手順と挙動がまるで一致していないように思えるのは、わたしの理解度がまったく不足しているせいなのだろうか?

 さらに余談。

 セキュリティの問題だけでなく、JavaScriptエンジンの動作はパフォーマンスにも無視できない影響を与える。職場のIEはセキュリティポリシーによりスクリプト有効となっているが、無効とするだけで多くのページがストレス無く閲覧できるようになった。これはプロクシサーバのアンチウィルス機能などによるオーバーヘッドも大きいだろうが、事情は個人のPCとて似たようなものだ。

 googleのような影響力のある会社が無邪気にajaxアプリをリリースし続けるのも、個人的にはどうかと思う。P2Pアプリのような「悪気ないしCoolだからいいじゃん」的無責任さを感じてしまうから。すべてが正しく生産的であれとは言わないが、「答えあわせ」に費やされている我々のリソースの量を思うと「啓発と育成」は決して無駄でも遠回りでもないはずだ。