腕に。

makes businessman die - COOL BIZ いまさら強調するまでもなく、ネクタイというのは「そこに見る人の注意を惹きつけられる」便利なアイテムである。一点豪華主義ではないが、少々よれっとしたスーツを着ていても派手柄のネクタイ一本で(そこそこに)意識を逸らすことができる。似たようなケースというか、逆のパターンのクリシェとして「足下を見られる」ってのもあるが。
 んでだ。クールビズってのはそのワンポイントに困るのだよね。特に何も考えないor周りに逆らわないノータイモードの場合、普段は視線に追われることのない部分が気になってしょうがない。例えばそれは髪型だったりヘッドホン(黒ケーブル)だったり、バッグだったり靴だったり。
 でも同年代以上のオサーン組でもっとも注目を集めやすいのはやはり腕時計だろう。特に半袖のYシャツにノータイというインパクトのないスタイルだと、のべーっと伸びた腕の先にあるメタリックな小物はやたら目に留まる。
 かくいう私は腕時計が大嫌いだったりする。自費購入、いただき物関係なく胸ポケットに入れた腕時計をポンポン無くすことでずいぶん怒られたものだ。
 別に特別汗かきということもないのだが、ステンレス・ゴム・チタン・布と素材に関係なく細い手首を締め付けられることに対して激しい抵抗がある。圧迫されるのが嫌いなのは極度の低血圧とも関係があるだろう。人より細かったからホックやボタンの類は全部留める派だったが、必要以上に身体を縛るものは極力避けてきた。
 しかしクールビズ、しかもコジャレが微妙に許されない立場でのオッサン高校生みたいなスタイルを半ば強要されている今、でろーんと伸びた生腕を衆目に晒すのにはかなりの度胸が必要だ。そんなこともあって敗北感に打ちひしがれつつ腕周りに付ける物を物色する日々が続いている。
 長々とした前振りで何が言いたかったかというと、「いっそ変態的なガジェットであれば笑えるという理由だけで許せないか」と感じていたところにピンポイントの特集が組まれていて嬉しかったのよ、と。ITmediaの中に知り合いはいません(多分)。

 レア物・ディスコン・未発売と入手へのハードルが高い製品ばかりだが、確かにこんなアレゲ製品であれば「しかたなくする腕時計」であっても自分を納得させることができそうだ。
 そしてネタは広がり更なるアレゲを目指す。

 いや、もういいって感じですけど。
 そして困ったオチが。
 久しぶりに昔所持していた腕時計を試しに装着してみたら、わずか10秒ほどであったにもかかわらず酷い水脹れ。そういえば私はハタチ過ぎたころから(さらに遡ること10年の花粉アレルギーに加えて)半端でない金属アレルギー体質となっていたのでした。そもそも腕時計というアイテムの存在を忘れるほどに遠ざけてきた理由をここへ来てようやく思い出すという間抜け。
 どーすっかなー。リストバンドやミサンガなんてさすがになあ。
 いっそ数珠にするか。でもやたらごっついのしか持ってないんだよお。