政策評価とは、各省庁が政策にもとづき実施した過去の活動の費用対効果を算出し公表する制度のこと。総務省の旗振りで平成13年度から導入され、その後は地方自治体にも名を変えて浸透しつつある。
共通するのは、行政体の活動単位である「業務」ではなく、「政策」や「施策」、「事務事業」といったバーチャルで曖昧なグルーピングで行われていることだ。そのいずれもが予算投入と連動せず、評価にもとづく改善指示がトンチンカンなものになりがちなことから、法に基づいた制度であるにもかかわらず「実態にそぐわないソロバン遊び」などという内部批判が絶たない(らしい)。
霞が関に「評価疲れ」という言葉がある。目的意識を欠き、漫然と評価報告書作りをしているからではないか。
上にも書いたが、現場ではそれ以前に「なんで評価するの」とか「評価手法が現場の状況を考慮してない」とかの不平が出る意識レベルで、評価作業の価値を認めていない。これは省庁に限らず、ほとんどの地方自治体においても似たような状況であろう。
自分らの本業を圧迫してると文句を言うなら、民業圧迫の誹りを受けないためにも評価活動は民間のコンサルや政策NPOに任せればいいのではないだろうか。評価自体、ひいては自分たちの行政改革にそれだけのコストが掛かるのだということを認識するいい機会だろう。“執行組織”という言葉を“意志決定しない組織”と勝手に読み替える彼らにとっては、お手盛りの批判も回避できて一石二鳥だ。
でも監査法人(会計士)はやめたほうがいい。彼らは根本的に政策音痴だから。
“アカウンタブルな政策指標なんて幻想以外の何物でもない”という厳しい認識に基づくならば、いっそのこと広告代理店にやらせるという手もある。行政がいかに頑張って市民を支えてるか、頭を捻ってわかりやすくアピールしてくれることだろう。
地方自治体にはかつて「行政活動のすべての根本となる総合計画」をただの印刷屋や広告代理店に作らせてきた“実績”があるわけだし、基本的に学習能力がない(定型いいわけフォーマットが用意されている事案は一切改善しようとしない)彼らは、それを喜んで受け入れそうな気がする。
でもダメかな。公務員って本当に士(サムライ)業以外をバカにしてるし。試験に合格して得た身分という唯一の誇りを守るために、自分たちより高いステータスを持っている相手の指摘しか受け入れようとしないんだよね。
事実上唯一の身分保持者(公務員は職業ではなく身分規定)であるにもかかわらずこのていたらく。現代社会において、「士」とはまさに君たちのことなんだぞ。