Swirl360インタビュー。

 MerodicRock.comのSwirl360インタビューを超訳。

■スウォール360:カリフォルニアからの逆襲
ケニーとデニーの兄弟が、彼らの新しいアルバム、そして企業の論理に振り回される苦労を語ってくれる。
 やあ、ケニーそしてデニー。アテンザを始めるにあたり、スウォール360のデビューから今作までのやたら長いブランクについて尋ねないとね。
 みんな知ってるとは思うけど、君たちはまず最初にマーキュリーレコードと契約した。でもレーベル問題がそれを台無しにしたんだよな。
 数多くのバンドが経験してきたこのフラストレーションについて、現時点での総括と感想を聞かせてほしい。
デニー:
 悲劇さ。そのひとことがすべてを表してる。
 マーキュリー/ポリグラムと契約したとき、僕たちはまだ一曲も書き上げてなかったんだ。僕らとサインしたスティーブ・グリーンバーグは「最低でも半分は書いてからでないとレコーディングはさせられないな」って言ったよ。ケンと僕は夏までにアルバムをリリースしたかったから、1997年の11月と12月で半分以上の曲を仕上げたんだ。
 「ヘイ・ナウ・ナウ」や「キャンディ・イン・ザ・サン」「スティック・アラウンド」「アスク・エニバディ」あたりは、曲を出した途端にラジオ局から引っ張りだこだった。これは間違いなくヒットする、そんな手応えを感じたよ。
 そしてレコードがリリースされると、事実「ヘイ・ナウ・ナウ」は瞬く間にチャートを上りはじめた。僕らは着実に進みはじめたんだと思ってた。
 そこへユニバーサルが介入してきた。買収で何もかもが止まってしまった。プロモーションのための予算がすべて凍結されたのさ。180人がレイオフを喰らって、レーベルには僕らのために動いてくれる人が誰もいない状態だった。
 ポリグラムでもどうしたらいいかわからなかった。こんな簡単に何もかもがダメになるんだ、ってショックを受けたよ。
 ケンも同意するだろうけど、あの出来事は僕らをひどく傷つけたし、その傷はまだ癒えていない。立ち直るまでずいぶんかかった。
ケニー:
 誰もが僕らのヒットを知っていた。でもユニバーサルはそれを気にもかけなかった。ポリグラムを買った男は酒屋だったのさ(※ユニバーサルの親会社はシーグラム)。ヤツの目標はソニーを超えること、ただそれだけだった。
 以上、クソ会社のつまらない話さ。ダウンロードしてくれてありがとな! レーベルにとっちゃいいパンチだったろう。(ファーストアルバムの)ゴールドレコード賞は、いつかまた違った意味を僕らにもたらしてくれるさ。
 その時まで、二枚目のアルバムはマーキュリーから出す約束だったんだ。今はIsland/Def Jamって呼ばれてるレーベルからね(※宇多田やマライアを擁するユニバーサル傘下の巨大レーベル。ハンソンもここからドロップしている)。
 馬鹿馬鹿しくってやってらんないよ。はっきり言うけど、ユニバーサルはすべてを台無しにしたのさ。A&M RecordsとMercuryを解散しやがったんだ。知らない人のために双方に所属していたアーチストを挙げよう。ブライアンアダムス、デフレパード、ラッシュ、ティアーズフォーフィアーズ、シンリジィ、KISS、その他諸々さ。その歴史のすべてをユニバーサルは葬り去ったんだ。
 さっき言ったIsland/Def Jamの奴らは「レコードは出してもいいが、作る人間がいない」って言ったよ。そりゃそうさ。全員クビにしちまったからな。だから奴らは俺たちに手切れ金を支払ったんだ。
 俺たちは別のレーベルに行こうとした。でも新しい曲は一曲も持ってなかった。あんなことがあった直後に、いきなり曲なんて書けないよ。ショックを乗り越えて、また波に乗るには時間がかかったんだ。

(続く)