(Can’t live without your) Love and Affection
NELSON
“After the Rain” [1990]
とりあえず100曲拾い終わったので後先考えずに始めてみました。第一回は何も考えず遭遇した順に、前回はほぼ曲名アルファベット順になっていましたが今回は「おおむね年代順」とします。まあ、それを設定することにあまり意味はありません。ネタ帳はエクセルのワークシートなので別項目でもソートし直すのが面倒とかの支障はありませんし。むしろ順番を確定するとイレギュラーに対応しづらくなりそうな気がしますなあ。
セカンドサマーオブラブという言葉を聞いて「ああ、あの80年代すらリスペクトされる時代が訪れるとは」と感慨深くするか「それは単なる自作自演の過去賛美じゃないのか」と裏読みしてしまうか。
間違いなく後者である僕の90年代はアンチユーロビートから始まった。イラクのクウェート侵攻なんざまるっきり他所の世界の出来事で、かといって貧乏学生の身ではバブルの絶頂に浮かれるほどでもなく、景気の良さでなんとか生きていることを認識できないまま、前年の留年を確定する事故で痛めた脚のリハビリに励む大学5年目。
80s懐メロ記事、特に自らの嗜好が色濃く出ている前回のセレクションを通しで見てもらうとわかるかもしれないが、僕がハードロック・ヘヴィメタルを聴くようになったのは80年代も終わりに差しかかってからだ。その後95年の阪神大震災までは購買の軸が概ねハードロック系にあったのだが、その傾向を決定的にしたのが当時「ボン・ジョヴィの後を継ぐのはこれだ!」的評価を受けて爆発的に売れたこのアルバムと、まさしく同じ評価だったFIREHOUSEのデビューアルバム。
楽曲にもアレンジにも演奏にもヴォーカルにも隙が無い。レコード会社が本気で売りに来るとはこういう事なのかーと思い知らされた。かつて産業ロックと呼ばれたジャーニーやナイトレンジャーあたりとも比較にならないほど洗練されている。ハード&メロディアス&ビューティフル、そして申し分のない血統とルックスによる話題性。あまりに美しいアルペジオとコーラスでラジオの前に迎え入れられた彼らは間違いなくロックの星だった。
それが実はパブリッシュとプロデュースとサポートミュージシャンの手による幻想であったとしても、このアルバムの価値はいかほども揺るがない。例え今「これのどこがロックなんだよ」とか「バックが豪華なルックス派って要するにSMAP?」とか「TAKARA焼酎の曲って日本版にボーナスで入ってるだけなのね」とか言われようと全然平気。ほんと。
しかしBROSといい彼らといいSwirl 360といい、美形兄弟は報われないジンクスでもあるのだろうか。1995年のセカンドが、そして幻と終わるはずだった本当の2枚目が出るまでの紆余曲折は諦めずに待っていたファンにとっても涙々の物語だが、そのへんはぜひライナーとかで読んでいただきたい。
こんなん続けてたら100曲こなすのに数年かかるから次回以降はもっと気楽に行くよー。