世紀末微懐メロ伝説その24。

III Sides to Every Story (Jewel Box)Cupid’s Dead
EXTREME
Three Sides to Every Story [1992]

 その後のヌーノの動向を見ていると、この大作は「彼の中のQueen的なものに決着を付けるための通過儀礼」だったのかもしれないと思ったりもする。いくら同い年だからってカートにけなされたからどうこうとか言われても全然ピンとこないよ。
 そりゃポールに比べれば彼の方がナイーブであろうとは思うけれど。
 そんなわけで丙午つながり、もはやバンドというより「ヌーノと彼の(腕の立つ)友だち」と言った方がよさそうな3枚目からアルバムタイトルを歌詞に収めた(5)を敢えて。


 当時のニュースステーションでもコメント付きで武道館ライブ映像が流れた(2)という最大のヒットを外してまでこの曲を拾うのは、怒濤のユニゾンこそがExtreme版のハンガー18とでもいうか既に信仰の対象というかアンセムというか、まあそんなところじゃないかと思うので。だから長くて退屈とかとか言うな。そもそも(1)から(6)まではどれも5分超えてるっつーの。
 あと湾岸戦争明けのシングルとしてはひねりが足りんとか思うのよね>RIP

 どんな話にも三つの側面がある。
 Yours – 君の視点。
 Mine – 僕の視点。
 the Truth – それは月曜の朝刊記事。

ポルノグラフィティ どこまでも相容れない三つの視点をアルバムの三部構成に割り振り、疲弊したアメリカの終戦直後を切り取った秀作は、しかし不幸なことにコアなファンからの評価を得ることはできなかった。彼らにとってExtremeとはDecadance DanceでありGet the Funk OutでありMore than Wordsであったのだ。なんてこったい。
 前作のHole Heartedが異様にお気に入りだったオイラにとって、Mine~the Truthの流れはたまらんかったのですがねえ。もちろんYoursサイドもすり減るほど聴きましたですよ。つーかいまだに全曲歌詞覚えてて自分でもびっくりするわ。