世紀末微懐メロ伝説その34。

Get a GripEat the Rich
AEROSMITH
Get a Grip [1993]

 げぷー(PV)。
 個々の楽曲は申し分なくてもなぜか通しで聴かないアルバムというのがある。シャッフルで聴いているときそのアルバムの曲がかかると「ぴぴっ」と来るのに、アルバムリストでは絶対ダブルクリックされないような作品が。
 そんなアルバムの筆頭とまでは行かなくても五指ぐらいには入りそうなエアロ復興期三連作のトリ。この曲を筆頭に問答無用の名曲揃いなのに、だからこそなのか、もうおなかいっぱい。


 楽曲もよければ録音もいい。エアロらしいといえば確かにその通り。でも彼らはもっとルーズな存在だったと勝手に思っているし、あのタラコクチビルがお茶の間でもてはやされるのはやっぱり何か違うと思う。
 色々考えてみたけれど、たぶん「楽しみ」がないんだと思う。「あの曲をアルバムの中で聴く楽しみ」が。曲それぞれに役割がない。どれもすぐに切り出せるようにコーティングされて出番を待っている。箱を開けたらバラ売り用の包装がきっちり、みたいな。

Permanent Vacation Pump

 というわけで自動的にこれ以降のエアロは聴いてません。映画のサントラでバカ売れしたとか言われても全然ピンとこない。わたしゃこれからも奇跡の前作2枚を繰り返し聴くでしょう。そしてこのアルバムは「箱の中で腐りかけてる」芳香だけを楽しむんだと思います。