世紀末微懐メロ伝説その36。

エクスポーズド+2Sister of Pain
VINCE NEIL
Exposed [1993]

 !?
 ──“敵”にかける情けはないぜ?
 ウチはいつでも“ヴィンス上等”だあ!!
 ちくしょう。恨むよスティーブン。
 「敵ながら天晴れ」しか言葉が選べないじゃないか。しくしくしく。
 そんなモトリーよりモトリーらしい名曲を複雑な気持ちで。


 正直マイケルとの軋轢だけじゃなく、「モトリークルーのフロントマン」であるだけでもわたしゃヴィンスは好きじゃなかったんすよ。ガキの金切り声。俺のセクスィー光線を受けてみやがれ。せっくすどらっぐろけんろーる。バカじゃねえのこいつ。ああそうだ俺はニッキーも好きじゃなかったんだそういえば。
Dr. Feelgood でもドクターフィールグッドでモトリーを少し見直してしまった私は、どこまでもドツボにはまっていくマイケルへの憐憫をヴィンス憎しの情へとネガティヴフィードバックさせていくのでした。「けっ、アナーキーインザUKのカバームステイン大佐しか許されねえんだよ」だの「ヴィンス解雇wwwワロスwwwwww」だのと拗くれまくっていたのですな。1990年代前半ごろの話。
 だからもちろんこの曲(アルバム)もリアルタイムでは聴いてません。たぶん96年ぐらいじゃないかな。なんかの二次会でボーリング行ったときにレーザージュークで掛かってるPVを見たのが初遭遇。レーザージュークも既に死後の世界ですか。
 シャウトだけに留まらないヴィンスの表現力は私にとってかなりショッキングでありました。心なしか声も太くなってるし。こんなにバリエーション持ってたんだ、ヤベェ、モトリーよりいいかも、とか。もちろんスティーブンのギターがそれを活かしまくっているからこその印象なのかも知れませんが。ていうか明らかにエルサレムスリムよりハジケてるよ彼。
 ミクシング&トラックダウンという「短い蜜月の精算」を終え、極東のファンだけにこっそりと手渡したマイケル。彼がこのアルバムを聴いたときの心情は察するに余りある。