世紀末微懐メロ伝説その73。

エレガントリー・ウエイステッドDon’t Lose your Head
INXS
“Elegantly Wasted” [1997]

 捨て曲ナッシンだから悩む悩む。
 とりあえず個人的嗜好だけで選ぶとしても(1)、(2)、(4)、(7)、(12)あたりか。無理だっつーの。

 前世紀末でもっともセクシーなロックシンガーだったことは疑いようもないマイケル・ハッチェンス。その彼が参加した「最後」のアルバムから、絶対にINXSでしかありえない展開の(4)を。


 例によってWhat You Needから入ったんよね。でも実はあのPVあまり好きじゃなかったんよね。目がパチパチするしね。イントロの「わ! わわわ!」が当時は妙にダサく思えてね。アニメーションの技法を取り入れたビデオにしたって、同時期にダイアーストレイツのMoney for NothingとかピーターガブリエルのSledgehammerとかアーハのTake on MeとかハワードジョーンズのYou know I Love You…Don’t You?なんて名作がごろごろしてたわけで、特に目を引くものでもなかったのさ。

Live Baby Live だから実はListen Like Thievesはいまだによく聞き込んでない。そう、KickにはWhat You Need入ってないからいいんだ。そして絶頂のXからLive Baby Liveの陶酔へと。ウェンブリーの7万人が揺れる揺れる。AONIYOSHIに行った後輩が羨ましかった。

 前の2枚、Welcome to Wherever You AreからFull Moon, Dirty Heartsあたりはリアルタイムだとさほどの盛り上がりが無くて「INXSも忘れられたバンドになっていくのか」と思っていたところへコレが出たのだった。「よっしゃ新譜!」と来たところへの訃報。そして活動中止。追い打ちを掛けるようにダークなソロ遺作のリリース。はああああぁ……。

 どの時代にも「他にない」サウンドを聴かせてくれたINXSは、テレビの公開オーディションで選ばれた「ハッチェンスじゃない」ボーカルを据えて復活している。怖くてまだ聴けてない。ペリー抜きのJourneyとは違って、ハッチェンス無しでも十分オリジナリティ溢れるバンドだろうと思うからこそ、余計に。