Re: 行政がコンサルタントに求めるもの。

これからの時代は、公務員だから公共事業を担えるのではなく、新しい公共事業に必要な能力を有する人材や組織が公務員的な立場になったり、公共性を帯びたりするのだろうと思います。

 そしてそれを実現化するために必要なのは何なのか。指定管理者制度なのか。民間人の任期付採用なのか。それはこれまでの業務委託という形の延長線上には決して存在し得ないのか。そして日本独自の解釈で突き進んでいるNPO「業界」とのリンクにはそれがあるのか。
 リタイア行政マンのNPO参画は急激に増加するだろう。指定管理者「市場」を取り仕切るべく総合商社やメディア・金融も顔を突っ込んでくるに違いない。そうなったとき、最終的に行政として担うべき役割、持ち続けなければいけない資質とは何だろう?
 僕はやっぱり「長期的な定点観測による定性的で正しい認識」じゃないかと思う。行政職のコスト意識なんてバンカーや商社マンに敵うはずないし、企画立案能力だって専門の人間には勝てっこない。役所ヒキコモリだからコーディネート能力も育たない。定量的分析なら誰にだってできる。唯一残されるのは「どれだけ地域の歴史を知り、現状を見、将来を思っているか」だろう。実現化への壁でもっとも大きいのは信用だ。住民に「彼らこそ四六時中地域のことだけを真剣に考えている集団なのだ」と信用してもらうためのコミュニケーション。意見の吸い上げと意志決定プロセスの完全な透明化。それに尽きるんじゃなかろうか。
 技術的な高みは求めない。そんなものは技術屋にやらせれば安くていい物ができる。窓口業務の改善や事務事業の効率化なんて要らない。そんなことは人材派遣業に金を払ったほうが安くつく。ただ愚直に、カケラの後ろめたさもなく純粋に地域のことだけを考え、施策への税金の投入を住民に納得させられる、そういう調整のできる意志決定集団であってほしいと思う。
 切に。
 コンサル側?
 そうだなあ……。
 上の文章書いてて思ったんだけど、コンサルと行政マンの違いって究極的には「世間知らずの度合い」だけのような気もしてるんだよなあ。学者センセーと行政マンとコンサルなんて一般市民から見たらどれも立ち位置いっしょやん、と思われてそうだし。そうなると要らん側から淘汰されるのも仕方ないかーなんて思ったりして。どうしましょう、ホントに。