世紀末微懐メロ伝説その54。

バック・フロム・ザ・リヴィングTell Your Story Walkin’
STEVIE SALAS COLORCODE
Back from the Living [1994]

 ずいぶん悩んだ。
 96年のAlter-NativeからMake Me Blankを採るべきかどうか。
 トータルで考えるとやはりこっちか。
 アルバム通しての絶妙な浮遊感はあっちのが上なんだが。
 そんな贅沢な悩みを隔年で提供してくれたサラスの、カラーコードとしては2枚目のアルバムから(5)ではなく敢えて(1)を。脂のりまくりだったこの時期のアルバムはどれも楽々通しで聴けてしまうので、一曲選べというのがそもそもキツい。


 前年、彼は個人名義でThe Electric Pow-Wowという「Pluggedアルバム」をリリースしている。レイラのアコースティックバージョンなんか聴きたくなかったよ先生、と泣いていた私にとっては最初から最後まで頷かされまくりだったわけで、それがYAMAHAのアニュアル楽器カタログでエンドースモデルとともに(ビリーシーンやネイザンイーストやジョンパチトゥッティと並んで)見開き紹介されていたあの彼だと知った瞬間に信者と化してしまったのだった。
 それまで「ファンク」という名で輸入・加工されてきた音楽に対する微妙な不信感が完全に払拭できたのは彼のおかげだ。山下達郎はことあるごとに「体力があったらハードロックをやっていた」と言っていたけれど、もしそれが叶ったとしたなら成果として現れた音楽はこれにかなり近いものだったのではないか、と思う。彼なりのロック魂をコンテンポラリな形で、かつハードに表現したならばきっと。
 や、さすがに言い過ぎだとは思うんで言いっぱなしにさせといて下さいな(´Д`)ノ