Stick Around
SWIRL 360
“Ask Anybody” [1998]
先行シングルだったスーパーキャッチーなHey Now Nowを聴きながら過ごした98年の夏。そして秋にようやくリリースされたアルバムは永遠の愛聴盤と化す。
捨て曲なしなんてケチなこといわない。全曲シングルカットに耐える超絶美麗メロディとコーラスはまさしくハードポップの頂点。イケメン双子といえばまず思い出すのはNELSONだが、コーラスの美しさでは一歩譲るもののキャッチーさでは間違いなくこちらの方が上だ。
そのHey Now Now一発だけでも十分KO級の極上ポップなのだが、かなり甘めの声にタイトなリズム体が絡んだ80年代風味のアレンジには最後までやられまくり。HR/HM層へもアピールしたNELSONとはあきらかに一線を画したハード・ポップ・デュオ、アイドル扱いも気にせずそのまま登り詰めてもらいたかった。
しかし彼らのその後はネルソン以上に暗い。音沙汰の無い状態が7年も続き、ようやくUKインディーズと契約して作り上げたセカンドアルバムはリリースから丸一年を迎えようとする今も本国で日の目を見ていない。ユニバーサル系列のインディーと契約してKilling Skyと名も変え、心機一転☆故郷に錦のはずが会社が資金ショートのため解散。
最近ようやく別レーベルとの契約が成立し、再レコーディングした曲を本国リリースに向けてマスタリングしている最中らしい。バンド名は360が取れて「Swirl」になるとか。日本じゃ発音しづらくって困るよね。すうぉーるすりーしくすてぃ。
そういえばiTunesでのシャッフル再生のおかげでついこの間ようやく気付いたのだが、MR. BIGのベストアルバムに収録されているNot One Nightが(13)と同曲だったらしい(歌詞は微妙に違う)。Bump Ahead以降のMR. BIGなんてまともに聴いてないからなあ……。
98年はなぜか邦楽アーチストにも少し手を出していて、中でも当たりだったSwinging PopcicleのファーストとMy Little LoverのPRESENTS、そしてこのアルバムはシコシコと二次創作小説とか書いてたあの頃「脳内少女漫画モード」へと移行するいい導入薬だった。特にShuffleはアニメ化するなら主題歌にせえよとか勝手なこと言うておったわ。ああ痛い。