世紀末微懐メロ伝説その10。

リーン・イントゥ・イットDaddy, Brother, Lover and Little Boy
(The Electric Drill Song)
MR. BIG
“Lean Into It” [1991]

 玄人受けかと思ったらあれよあれよという間に売れてしまってえーっ、みたいな90年代のチープトリックことMR.BIG、そのヴァンヘイレンコンプレックスが随分薄れたセカンドアルバムから誰でも知ってるTo Be With Youじゃなくって一発目。

 やっぱり
 ドリルは
 MAKITAだ
 な

 本当は(10)Road to Ruinがいっちゃん好きなんだけど。3rdまでの中ではぶっちぎりで。


 90年代初頭ってのは概ねMR. BIGとExtremeで事足りてしまうわけで(<言い過ぎ)、(1)テクニカルなのにそれだけが売りじゃない、(2)セカンドアルバムのバラードでブレイク、(3)ヴァンヘイレンコンプレックス、(4)ギタリストが俺と同い年、などとどうでもいいネタまで含めた共通点でもって竜虎相打つ状態だった。

 (1)ボーカルの技量、(2)バンド前のキャリア、(3)ブルースvsファンクといった相違点ももちろん楽しみであったのだけど、終わってみれば一番の相違点はその「終わり方」だったのかも。サードアルバム「III Sides to Every Story」で頂点を迎えそのまま駆け抜けてしまった(パンチラインは無かったことにしてる)Extremeに比べ、「Bump Ahead」以降ダラダラ延命措置を図ってしまった彼らに対する思い入れは随分と色褪せてしまったような気がする。実際コッツェン加入以降はほとんど聴いてないし。

 ピンでは今でも大好きで、タラスナイアシンをはじめとするビリーのプロジェクトやポールのソロは追いかけてる。パットのソロも買ったよ。TMGは妙なプライドが邪魔して聴いてないけど。

 ここまで書いて、改めて聴き直してようやく気付いた。やっぱテクニックは重要な要素だった。どこまでも普通な曲を一切の破綻なく演じきる技にこそ俺は惚れていたのだよ……。