世紀末微懐メロ伝説その43。

So NaturalLittle Bit of Heaven
LISA STANSFIELD
“So Natural” [1993]

 放置すまんですた。
 まあ、色々ありましたんですよ実際。

 インフルちゃんかと思ったら普通に冷えに起因するもろもろだったとか、普段めったに連絡取らない家族全員と集中的にコンタクト取って微妙に疲れたりとか、飲み会に人が集まらないとか、ライブラリをノーマライズしようと17時間かけて約2,800曲(全体の4割程度)分を解析し終えたところでiGainが停止して終了も保存も反映もできない状態に陥るとか、十ヶ月ぶりぐらいに昔の彼女が夢に御登場なさるとか。重いの軽いのとりまぜて。

 そして週末、矢口清治氏のライナー読んでようやく精神と肉体の平衡を取り戻したって感じ。なぜかマウスパッドがついてきた、その新譜に関してはまた今度にでも。

 というわけで、割と最近に同い年であることを知ったこの人。


 まったく失礼な話だが、80年代後半まで「ピンの女性で白ければアイドル」という偏見を持っていた。もちろん個別には凄いとされるミュージシャンがいると聞いていたけれど、それは60~70年代フォークの伝説やパンクなどの「狭い」ジャンルにおける紅一点的存在であって、ボリュームゾーンに対する認識としては大きく間違っていないだろうと思いこんでいたのだ。

 その偏った認識が大きく変わる契機となったのはやっぱりマドンナやシンディの活躍で、自分の中で白人女性「アーチスト」を受け入れられるようになったのは間違いなく彼女らのおかげ。だから初期はシンディの方を高く評価していたし、マドンナはOpen Your Heartまでは素直に聴けなかった。

 その次にやってきたのは、バーシアやベリンダ、そしてこのリサなどを筆頭とした女性シンガー全盛の時代。もちろんジャネットやシーラE、ジョディワトリーにポーラアブドゥルあたりを含めてしまうこともできるけれど、自分内部では明確に線が引かれている。なぜならその系統は90年代に入ってホイットニーやマライアにこそ引き継がれるものだと思っていたから。それは不思議と「英米の区分」でもなかった。

 そして引き継がれなかった方の女性シンガーブームは期待に反してどんどん衰退していく。自分のHR/HM嗜好が高まってしまったこともあり、90年代中盤に入っても継続して聞いていたのはスイングアウトシスターとEBTGぐらいか。久しぶりに聴いたこのアルバムも、AffectionReal Loveと比べると愛聴盤になり得なかった失速感みたいなものを思い出してしまう。

 思えばスイングアウトシスターも92年のGet in Touch with Yourselfあたりから怪しくなった。国内を見てみてもドリカムが90年のWonder3で絶頂を迎え、翌91年末のMillion Kissesでやや失速している。

 1991年といえば湾岸戦争。翌年にはそれまでと打ってかわってポリティカルなメッセージを伴う楽曲が巷に溢れた。国内ではホイチョイ三部作が「波の数だけ抱きしめて」をもって終了し、Bバージンが「バブルの恥」の後片づけを始めた。そんな15年前のオハナシ。

 うー、やっぱまだ復活しきれてないや。
 なんか元気出る曲でも探そ……。