かわりになってよ
スガシカオ
“4Flusher” [2000]
たて続けに日本人で。
わりとどっぷり洋楽に浸かっていた20歳代を終えたところで、「邦楽も意外にいいのあるじゃないか」と振り返るきっかけを持てたのは同い年であるスガッチのおかげ。
実際アルバムを手に取るにまで至った理由は、夜中の3時に職場のラジオで流れた「夜明けまえ」が素晴らしかったからじゃない。「バブル崩壊したこの時代に脱サラ→齢30にしてプロデビューという(晩成型の多いヒノエウマ野郎の中でもとびきりの)異色なプロフィール」が小気味よかったから。同じ時期に「何もかもをあきらめようと努力」しながら、そのあまりのバカバカしさに嫌気が差し始めていた自分との相違と類似を確かめたかった、というのもある。
前にも書いたように80年代と90年代はほぼ洋楽でセレクトしていて、98~99年頃やたら聞きこんでいた彼の楽曲について言及する機会はあまりなかった。本来のフェイバリットを挙げるなら “CLOVER” から「黄金の月」を、”FAMILY” から「お別れにむけて」を、”Sweet” から「夕立ち」を持ってくることになる。
そんな中途半端な、ある意味「自分内スガ祭り」が終わって以降のアルバムからどうしてこの曲を持ってきたのか。まずひとつは、(歌詞はともかく)音づくりに関していえば “Sweet” と “4Flusher” が突出して好みだから。もうひとつは “SMILE” 前後の印象がまるで別物だから。この2点かな。
もちろん、トリビュート同人誌なんてものに参加したのも理由のひとつ。あのときは「モチーフは “Sweet” までから」ってシバリ入れていたからねえ。それまでずっと「文芸は読み専」、「物書きより絵描き」のスタンスでやってきた自分がそんなことをするようになった直接のきっかけでもあったのよ、スガッチとの出会いは。
というわけで、なんだかんだ言いながら “FUNKAHOLiC” (と “FUNKASTiC” の先行シングル)までは聴き続けてるんだけど、通しで聞こうと思うのはこのアルバムまでなんだよね。 “Sugarless” までが「前期シカオ」で、そのピークがこの頃って感じ。
キティMME (2000-10-25)
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スガシカオの作品の中では割と地味めかもしれない・・・
ハスキー・ハイ・テナー
面白くて切なくて・・・
スガシカオ
SINGER SONG WRITER