世紀末微懐メロ伝説その56。

AwakeInnocence Faded
DREAM THEATER
Awake [1994]

 正直Amazonの、しかもこれじゃなく前作の公式レビューを読んでもらえれば十分なのですがっ。
 「ヘヴィネス大流行」だった92年じゃなくて、その2年後にこの音を持ってくるあたりがドリシーのドリシーたる所以か。


 そしてそんな「ひょっとしたらラーズが悔しがってるかもしれない」なんて思っちゃうソフィスティケイテッド・メタリカなアルバムからもっともキャッチーと思われる曲を。私がメタリカ要らんという理由のひとつであることは間違いない。たとえ彼ら自身がリスペクトしていたとしても。
 同じくMachineに例えられるメガデスとの決定的な違いはもちろん(プログレにおいては必須ともいえる)キーボードの存在なのだけど、それ以上に音の方向性が違っている。
 素材で例えるなら炭素鋼と合金鋼つーか。兵器で例えるなら炸裂弾と徹甲弾つーか。すげえ微妙でアバウトだなあ。まあ聴けばわかるさ多分。
 ドリシーは私が抱いていた「プログレってこうあって欲しい」の理想像にかなり近いんよね。それはキンクスやパープルを聴いて「これのどこが“メタル”やねん」と裏切られた気分になり、後にメガデスを聴いて「ああこれこそが名に恥じぬメタルだよ」と満たされた経緯によく似ている。もちろんそれは「プログレ」や「メタル」が出てくる前をリアルタイムで感じていないからこその勝手な思いなのでありますが。